後継者計画は、あらゆる人材戦略の中心となるべきものです。それは重要な役割にギャップが生じるのを防ぐばかりでなく、やる気に満ちて高いポテンシャルを持つ社員のモチベーションを高め、キャリア目標を達成させる方法の1つとしても役立ちます。後継者計画は単発のイベントではなく、周期的なプロセスです。仕事や人の成長と進化に応じて、育成や後継者の決定を定期的に再検討すべきです。
優れた後継者計画は、組織のビジョンと戦略に対する確かな理解から始まります。それにより、組織は後継者計画の基盤となる「ミッションクリティカル」な役割を特定することができます。ここで大切なことは、現在の経営幹部の後継者確保は確かに重要ですが、それと同等かそれ以上の重要性を持つ役割があり、それらの後継者も検討すべきだということです。
次に来るのは、組織内でポテンシャルの高い人材を特定することです。それには複数のステークホルダーに関与してもらい、人材は事業部や部門に所属するのではなく、会社に所属するものだという哲学を受け入れる必要があります。才能ある人材については、能力を最大限に発揮させるよう、その成長をサポートし、組織全体に最大の価値をもたらす場所に配属しなくてはなりません。
ミッションクリティカルな役割の要件と特性を理解することは、しばしば「成功のプロファイリング」と呼ばれています。この成功のプロフィールに焦点を当てた、有効で信頼性が高く差別化された評価手法を用いることにより、課題となっている役割にチャレンジできる人材を特定することができます。「今すぐにでもできる」後継者が常にいるとは限りません。そのため、組織は2年から3年の育成期間を経て候補になり得るような人材も長期視点で特定しなくてはなりません。そしてそのプロセスは、社内に有力な後継者がいない場合、外部の候補者を検討する必要性を組織に知らせる役割も果たします。
当社は、後継者計画策定のすべてのプロセスを支援し、キーパーソンに何が起こっても組織が戦略の継続性を維持できるようにします。
*1 ラッセル・レイノルズ・アソシエイツ『 2021 グローバル・リーダーシップ・ モニター』
*2 マッキンゼー・アンド・カンパニー『ウォー・フォー・タレント マッキンゼー式人材獲得・育成競争』(“The War for Talent”)