同じ企業は2つとなく、CEOサクセッションプランもさまざまです。 ただし、どのようなケースにも適用できる共通点があります。 リーダーシップの交代というリスクの高い状況を成功に導くためのベストプラクティスです。
当社は、そのすべてを目にしてきました。 そして、CEOのサクセッションプランニングが実際にどのようなものかを理解していただくために、私たちの経験の一部をここで共有します。
項目
公開企業 • 歴史あるファミリービジネス • ホスピタリティ産業 • 多国籍企業
世界有数のホスピタリティ企業が、合併という難題と業界を揺るがすパンデミックに直面し、ラッセルレイノルズアソシエイツ(RRA)と協力して、現在から将来にわたって事業を強力に継続できるリーダーを見つけるためのCEOサクセッションプランを策定しました。
その企業は別の会社を買収したばかりで、新しい事業を合併して統合するという困難なプロセスの真っ只中にありました。状況をさらに複雑にしたのは、現CEO が健康上の問題を抱えていたという事実でした。
取締役会は、事業承継の過程で専門家の支援が必要であることを認識していました。しかし、その企業は数十年の歴史を持つ同族企業であるため、さらに大きなプレッシャーがかかっていました。事業承継のために親族に頼るべきか、それとも社内外の非親族に頼るべきか、大きな問題に直面しました。
どの選択肢にも、長所と短所がありました。課題は、どこに最大の強みがあるのか、そして、どのルートが会社や家族にとって長期的に最適なのかを見極めることでした。
取締役会はRRAに依頼し、専門家のアドバイスとサポートを受けながら、最終的に4年間にわたるCEOの継承プロセスを完了させました。
まず、取締役会は、社内候補者と社外の幹部に対してベンチマーキングを行うという、RRAが提案したベストプラクティスに同意しました。全ての候補者は、取締役会やその他の主要なステークホルダーとのワークショップを通じて、 RRA によって作成された理想的なリーダープロファイル(要件定義)と比較されます。このプロファイル(または理想的なリーダーのアバター)は、事業の現在および差し迫ったニーズと、事業の将来のニーズ(取締役会の方向性、業界や社会の一般的な動きによって決定される)の両方を追求したものです。
内部候補者評価は RRAが行いました。各候補者は、リーダーシップ領域の専門家と業界の専門家によるアセスメントインタビュー、360度調査、現CEOおよびCHROへの報告を行いました。取締役会とのインタビューは、その後行われました。
特に、プロセスの最中にパンデミックの発生により会社が純利益がマイナスに陥ったため、その対策が必要でした。
現職の CEO が 2021 年の初めに予期せず亡くなったとき、取締役会の準備は整っていました。各候補者の強みと課題を含めた選択肢を理解しており、次のリーダーを迅速に決定することができたのです。新CEOは、取締役会とRRAの支援を受けて、速やかに新しい職務に就きました。
今日まで、それは大きな成功を収めています。新CEOはその役割を見事に果たし、会社の業績の回復に貢献しています。
RRAは、会社の信頼できるパートナーとして、新CEOを引き続きサポートし、新しい経営陣の育成を支援するために、リーダーシップ・チームの有効性を高めるプログラムを実施しています。
他の候補者に関しても、適切な対応がなされました。1人は追加のエグゼクティブ・リーダーシップの責任を負い、新CEOと密接に協業していますし、もう1人は自身の役割で成功を収め続けています。
当初のCEO後継候補者は全員、離職することなく、今も事業に携わっています。
1. 激動の中でも安定を保つ
2. グローバルリテラシーの高い後継者を求めて
3. 接戦の絞り込み
4. 従うのが困難な行動
2. グローバルリテラシーの高い後継者を求めて外部からの登用 • 製造業 • 多国籍企業 CEOが退職を計画している、機器およびイントラロジスティクスのサプライヤーは、社内候補者の評価、外部候補者の特定、および経営幹部のスキルアップ・プログラムの確立についてRRAに支援を求めました。 |
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マテリアルハンドリング機器の多国籍製造業である同社は、困難な状況に直面していました。同社のデジタル化への取り組みを成功に導いた現CEOは、数年後に退任する意向を内々に取締役会に表明していました。しかし、明確な後継者がいなかったため、継承プロセスを支援するために長く在籍するつもりでした。
当時、具体的な後継者計画はなく、取締役会は既存の社内候補者の適性に確信が持てませんでした。 個々の役割は素晴らしいものの、数十億ドル規模の多国籍企業を率いる適性は疑問視されていました。
取締役会の会長は、以前、他の幹部職を埋めるために依頼したことのあるRRAに支援を求めました。会長はRRAのチームに信頼を寄せており、サクセションプランニングとCEOサーチのプロセスを通じて、専門的なアドバイスやコーチング、サポートを提供できると確信していたのです。
このプロセスは、成功の定義について早期に合意を得るための徹底的なプランニング・セッションから始まりました。RRAチームはステークホルダーとのインタビューを行い、会社の短期・中長期の経営計画を明確にし、CEOの要件定義(リーダー・プロファイル)を作成しました。これには、次期CEOに必要なスキル、候補者がその役割で成功するためにはどのような経験が必要か、適切な候補者をどのようにベンチマークし特定するか、などが含まれていました。
ここで特に重要だったのは、同社特有のニーズです。同社の売上の大部分は、倉庫で使用される高度な技術を要する既製品の工業製品によるものですが、同社はイントラロジスティックス・ソリューションの分野も有しています。そのため、CEOは、サービス、スペアパーツ、および保守作業に加え、これら2つのビジネスのニーズを満たすことができる人物でなければならないのです。
成功の条件が決まると、チームは全社内候補者を評価し、要件定義(リーダー・プロファイル)に示されるCEOの役割に適合するかどうかを判断しました。候補者同士ではなく、この理想のリーダー像に照らして判断することで、候補者A対候補者Bという構図ではなく、会社のニーズに焦点を当てた選考を行うことができるようになりました。
すぐに、取締役会の最初の考えが正しかったことが証明されました。リーダーシップチームの幹部は、それぞれの仕事に優れていましたが、次期CEOにはふさわしくありませんでした。 彼らはトレーニングで準備できたかもしれませんが、会社は彼らを現在の役割にとどめ、CEO候補探しを外部に広げたほうがよいと判断しました。
候補者は、製造業のコングロマリットの元CEO、隣接業界の新進気鋭の経営幹部、農業機械メーカー出身の産業機械メーカーCEOなど、いずれも同業界で活躍し、理想のリーダー像にふさわしいユニークな経験を持っていました。1人は、大規模なプロジェクトや多様な製品ポートフォリオを管理した具体的な経験を持っていました。2人は売上数十億の企業を経営しており、大規模なプロジェクトや多様な製品ポートフォリオを管理する具体的な経験を持っていました。
全員が有力候補で、最終的に選ばれたのは 1 人でした。
まず、社内の候補者達にき、第一次のサクセッションには早すぎると判断されたものの、チームには大きな可能性があることは間違いありませんでした。その結果、経営陣全員が1年間のコーチング・プログラムに参加することになりました。このプログラムは、彼らが将来CEO候補として必要なスキルを身につけ、結束力のあるリーダーシップユニットとしてよりよく機能するように設計されました。
同社はまた、内部評価の結果に基づいて経営陣を拡大し、将来の強力な後継者育成のために、2 名の候補者を幹部職に登用しました。
選出されたCEO候補には、半年かけたゆっくりとしたオンボーディング・プロセスを速やかに開始しました。この間、世界各地を回り、地域や部門の責任者に会うなど、会社のグローバルオペレーションを理解することに努めました。
1. 激動の中でも安定を保つ
2. グローバルリテラシーの高い後継者を求めて
3. 接戦の絞り込み
4. 従うのが困難な行動
3. 接戦の絞り込み投資家が保有するビジネス • エネルギー産業 • 米国拠点 米国最大のエネルギー企業の1社は、RRAと提携し、長年勤続したCEOの後任として、新CEOが長期的に成功できるようなCEOサクセッションプランを策定しました。 |
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その企業は転換期を迎えていました。現職のCEOが任期満了を迎え、取締役会はCEOのサクセッション(後継)に焦点を当てる準備ができたと判断しました。
明確な後継者計画がないまま、4人の有力な候補者が社内にいることがわかりました。そこで、RRAチームは、CEOを任命する前に、4人の有力な社内候補者を育成するための体系的な計画を導入しました。
最適な候補者を特定するために、候補者の特徴と可能性を、現在の状況だけでなく、会社が進むべき方向に焦点をあてて作成されたリーダープロファイル(CEO要件定義)と照らし合わせました。
RRAは、このリーダープロファイルをもとに、4人の社内候補者に焦点を当てたオーダーメイドの社内育成プログラムを作成しました。この育成プログラムは、候補者の経験が不足する部分や追加トレーニングが必要な部分のスキルアップを支援するものでした。コースは、CEO特有のリーダーシップと意思決定スキル、コミュニケーションとステークホルダーマネジメント力の強化、より良いリーダーシップチームの構築などに焦点を当てて行われました。
途中、4人の候補者のうち2人が辞退しました。この結果、有力な2人の候補者を残すのみとなり、取締役会は真っ向勝負で決断を迫られることになりました。プログラムは継続され、二名が拮抗し続けるまま、残り6カ月となったところで、外部の候補者を招き、ベンチマークが行われました。そして、両候補が会社の将来のビジョンを語る独創的なプレゼンテーションの後、RRAによる推薦があり、就任が決定されました。
社内候補者が選ばれたのには、いくつかの理由があります。会社の考える理想のCEO像を体現できる可能性があったこと、より幅広い経営経験があったこと、18ヶ月のコーチングの間に大きく成長していることが取締役会に伝わったこと、などです。
すぐに職務のためのオンボーディングトレーニングを開始し、RRAが設計した継続的な開発プログラムに参加するようになりました。
CEOサクセションプランの意義が明確になったことで、まだ先のことではありますが、同社はすぐに次のCEOサクセッションプロセスの計画を立て、多様な候補者のプールを作ることに注力しました。
1. 激動の中でも安定を保つ
2. グローバルリテラシーの高い後継者を求めて
3. 接戦の絞り込み
4. 従うのが困難な行動
4. 従うのが困難な行動小売業 • 投資家による保有企業 • 業界リーダー ある小売・ショッピング業界の巨大企業が、現CEOの退任を非公式に表明したことで、強力なサクセションプランの必要性に迫られました。大成功を収め、市場からの信頼も厚いCEOの後任を決めるのは、困難な作業でした。しかし、RRAは、社内外の候補者の中から最適な候補者を特定、育成し、準備する支援をしました。 |
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COVID-19 が猛威を振るい、消費者の来店に大きく依存するビジネスであることから、同社はさらに大きなプレッシャーにさらされていた。
大成功を収めたCEOが引退を控えており、取締役会や市場には明確な後継者候補が見当たリませんでした。幸いなことに、現職のCEOには十分な時間があったため、候補者の育成と準備のために適切な引継ぎプロセスを実施することができました。
そのため、この企業は、CEOの引継ぎをサポートするアドバイザーを雇い、優秀なCEOが去った後に企業が更なる成功を収めることができるように、慎重に準備を進めることにしました。また、CEO交代のニュースが企業の株価を下げるのではなく、押し上げるようにしたいと考えていました。
このプロセスは、厳しい問いかけから始まりました。この企業のリーダーシップが現職のスターCEOでないのなら、将来のCEOはどのような人材像が理想的なのか?RRAと取締役会は、早い段階で、現職のCEOのレプリカを作ってはならないと判断しました。会社の未来につながるリーダーシップの新しい理想型を、その中心に据えることにしたのです。
とはいえ、現職のCEOの卓越した業績と人望から学ぶべきことがあるのは明らかです。CEOのサポートにより、RRAと取締役会は、自分たちを特別な存在にしている要素を体系化し、それを開発に反映させることができたのです。
CEOのポジションについては、社内で有力視される候補者が少なく、経営陣の間でも支持の派閥があることが明らかになりました。RRAが候補者の評価・育成を行うにあたり、その客観的な存在は、偏見という問題を鎮め、プロセスへの信頼を呼び起こすのに役立ちました。
外部的には、RRAが市場調査を行い、その条件に合うような知名度の高い候補者の「ドリームリスト」を作成しました。最終的には、社内の候補者の方が理想のCEO像に適しており、より良い選択であると判断されました。
最終的に、取締役会はRRAのコンサルティングを受けながら、18ヶ月の育成期間を経て、理想的なCEOの原型に最も近い候補者を選びました。就任宣言は、この国の市場やメディアで最も広く称賛されたCEO交代のアナウンスメントの一つとなりました。今後、取締役会がこのようなプロセスをどのように行うことが期待されるかについて、新たなベンチマークと基準に繋がったのです。
RRAは、進行中のCEOのサクセションプランニングを支援するアドバイザーとして、無期限で契約しています。このように、単発的な後継者支援から、継続的な後継者育成とアドバイザリーへの移行は、同社にとって理想的であり、予測可能な将来にわたって、社内の有力な候補者と後継者候補を確保し続けることができます。
1. 激動の中でも安定を保つ
2. グローバルリテラシーの高い後継者を求めて
3. 接戦の絞り込み
4. 従うのが困難な行動
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